「コロナ帯電式塗装法」とは高い耐久力と防錆性がある静電気塗装技術のことです。塗膜欠陥が発生しやすく、凹部の内側に粒子が入りにくいというデメリットがありますが、使用塗料の材質を選ばないため幅広い製品に適応されています。
「摩擦帯電式(トリボ)塗装法」とは、凹部内側や複雑形状が得意な静電気塗装技術のことです。湿度・天候によって付着しにくいこともあり、使用塗料の材質が限定されますが、ピンホールや肌荒れが起こりにくいため表面がなめらかで欠陥が発生しづらい塗膜形成が可能です。
粉体塗装は粉体塗装の塗料には顔料や樹脂を溶かすための有機溶剤が一切使用されていないため人体と環境にやさしく、耐久性と防錆性、柔軟性が高いため、厳しい環境にも強いメリットがあります。一方、少量生産や短期納期、薄い塗膜が苦手というデメリットも持ち合わせています。
粉体塗装は含有樹脂の熱に対する反応性から、熱硬化性粉体塗料と熱可塑性粉体塗料の2種類に分けることができます。金属素材の製品を中心に様々な分野で使用されており、金属家具や電気機器、建設、産業機械、機器・器具の割合が大きくなっています。
2021年と2022年の粉体塗装の生産・販売量などのデータ動向を見ると、粉体塗料は現在上昇傾向にあるようです。今回調査した25社の内TOP3は大日本塗料株式会社(1位)株式会社ケミコート(2位)ナカオ金属(3位)と歴史の長い塗料メーカーでした。(2022年12月の調査時点)
粉体塗装は人体や環境にやさしく、塗着しなかったため回収した塗料を再利用できるなど、非常に便利な塗料です。しかし、塗装保管や塗装機器管理を間違えると表面にぶつぶつができたり、色ムラができるなど不良につながってしまいます。 代表的な不良例として、すぴっと、静電反発(逆電離現象)。ブロッキング、ゆず肌、ピンホールなどがあります。
粉体塗装は前処理や清掃の徹底などが大変なため、複数色や小ロット対応が難しいといわれています。しかし、最近では常備在庫色の色数増加や色替え粉体塗装対応設備の登場などにより、多色・小ロットに対応した粉体塗装会社が出てきています。
粉体塗装とは、顔料などを粉砕して直接金属に噴き付け、コーティングする塗装方法です。人体にも環境にも優しく火災リスクを低減でき、コストパフォーマンスにも優れているため、建設業界などで採用する所が増えつつあります。 粉体塗装の膜厚は一回の吹付けで40〜150㎛程度であり、耐久性や防錆性が優れているので、ガードレールなど厳しい環境に耐えられるものに活用されています。
2020年の新型コロナウイルスは世界規模で粉体塗装の市場に強い影響を及ぼしましたが、2021年から回復傾向にあります。特にアジア太平洋の需要は大幅に増加すると予測されています。日本市場でもSDGsへの対応としてVOCを排出しない粉体塗装を採用する企業も増えてきています。多様化するニーズにどう対応し、需要を作り出すかが、今後粉体塗装市場拡大のカギとなるでしょう。
粉体塗装の見積もりは自動塗装が難しい「形状」や、塗料代金が高い「塗装種類」、製品の汚れを落とす作業や研磨作業などの「下処理」も含めるかどうかで見積金額は異なります。 粉体塗装の劣化のスピード、耐用年数、価格帯も、使用する溶剤、グレードや製品形状、膜厚、メーカーによって変動するため、あくまで目安として考えた上で、事前に把握しておきましょう。